コンセプト

アートばんぱくランドのコンセプトです。

テーマパーク企画「アートばんぱくランド」

 人々は、聴視覚から五感の極限にいたるまでの憧憬的、幻想的な美を求めます。
 これらの欲求を満足させる意図で過去・現在・未来に喜怒哀楽を織りなし、織りなすであろうドラマティックな物語を演出する所に耳目を傾けて移動します。

 そして世界の各地に、わが国にも、娯楽観光の各種のテーマパークが作られてきました。 また、美術館も各国各所に大小無数に存在しています。そこでの展示物は当該展示館所有品に限らず、さまざまな展示計画によって国内外各所からも借り入れして鑑賞に供しています。 

 しかし、世界の絵画・彫刻の名品には、常時非公開、臨時特別公開、さらには門外不出で秘蔵されているものも少なくなく、何時でも気軽に欲するものを鑑賞することはなかなか叶いません。

  このような芸術品観賞の状況では、名画や名品を学芸員の丁寧な解説付きで鑑賞できるにしても、ある時代、ある作家限定の有名品を華やかな花火見物のように一瞬だけ目に止めたような、ほんの一部一過性の鑑賞に過ぎなく、これらの鑑賞経験を如何ほどに集積しても、この分野の大衆化は進まないということが言えます。

 芸術愛好と芸術理解の満足な機会に恵まれていない状況への効果的な対策としまして、各芸術分野の歴代作家の多数の作品を揃えて、これらを時系列歴史的展示で幅広く鑑賞できる方法が可能であれば、作品要点の比較から芸術の時代の流れまでを感覚し、全体を把握することが出来て芸術の理解度は極めて高いものになります。

 

 ご提唱の「アートばんぱくランド」は古今の世界の著名な建築・絵画・彫刻・音楽芸術の名品を時系列歴史的に展示、演ずる芸術公園的なテーマパークであります。
 建築物は縮尺して再現し、絵画彫刻は模写・複製(模写・複写者署名)を、けだし迫真の技術で製作・創作したものを建築館・絵画館・彫刻館・音楽館それぞれに時系列に展示・興行して各分野の芸術鑑賞とその歴史に出会える場を設立する企画であります。
 その内容は自国のみならず、西洋・東洋の長い歴史を持つ芸術文化の展示場であります。 また芸術品の展示と舞台芸術に娯楽面をも充実させた観光と娯楽の産業でありますが、大人の知性をも満足させるテーマパークと言えるものであります。

 

  以下、拙著“テーマパーク企画”「アートばんぱくランド」(文化庁実名登録平成7年10月4日第14882号の1)の著作から10数年を過ぎた東日本大震災1年後の今日にあたり、「天生我材必有用」この漢詩一節の心境を当該拙著に乗せまして、その概要を述べてまいります。

 なお、これをテーマパーク企画と題してはいますが、専門家ではない物好きなだけの無職老人が“繁栄を極めたわが国に不可欠と思えるもの”という拭えない感に惑わされていての発想を基にただ一人で著していたものでありまして、企画という内容には程遠い小さな道筋を示している程度のものであります。

 何卒、ご披見いただきますようお願い申し上げます。

 

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わが国の芸術文化の大衆化

 世界の科学技術と産業は遺伝子開発、宇宙開発までに及ぶ発展ぶりであり、わが国もまたその先陣を競って進行し続けていました、しかし残念ながら東日本大震災による原子力事故では、その制御技術と対応組織が甚だ低級だったという感を拭い得ません。
 世界の“科学技術と産業の成長と拡大”その終わりのない掛け声は、もう“地球の崩壊と人類の自滅”へのスローガンに変化しているように思えるのですが、“行け行けどんどん”の潮流に止まる様子はありません。
人類自体による環境の破壊、よって多発してくる環境悪化、さらには想定範囲外の途方もない天変地異の勃発には、計り知れない祈りきれない畏怖感に戦くばかりであります。

 そんな物騒な意識のなかで、ハヤブサによるイトカワ探査、超スピード世界一のコンピューターが物語るわが国の科学技術の成果が、高らかなメロディとリズムの行進曲を奏でるように報じらた記憶と、その偉業を称賛し誇る明るい気分も味わえました。

 しかし、わが国が今にも増して科学技術と産業面に於いて栄華を極めていた頃にあっても、何か物足りない感じ、何か付け足したいような思いが去来しておりまして、その得知れない感覚と思考の中から、音楽を例に考え”ハーモニーの充実を“という思いに至っておりました。

 言うなれば、精緻なメロディーと盤石のリズムと共に、ハーモニーによる対位法的新風を乗せて、勇壮で美しい中に落ち着いた味わいを決めた国の文化、国風が望ましく思えていたのであります。 

 わが国が謳歌する優れた行進曲に和声ハーモニーを裏打ちし、メロディ、リズム、そしてハーモニーの3要素融合による国勢の安定策を願うことへの充足手段として、芸術分野に思いを傾け、これを国の側面とした芸術立国を確立するスタートの一策になればと「アートばんぱくランド」建設への参画にご注目を請うものであります。 

 わが国のあらゆる文化は延々と存続し発展してきておりまして、世界から称賛されているものは数え切れません。中でも芸術文化はその代表的なものであり異彩を放っておりますが、大衆的であり普遍的であるとは言い難いところがあります。

 「アートばんぱくランド」は娯楽と芸術観光のテーマパークでありますから、本来の事業の成功は勿論の上に、芸術分野の大衆化をも願望するものでして、その前提となる芸術理解のための教育的方法を軸にした芸術推奨の場とも位置付けいたしたいのであります。

 また、各国が所有する名画・各国の美術品・裕福層の門外不出の秘蔵品まで、一カ所限りの所蔵品を一堂で時空を越えて鑑賞できることが、しかもそれはバーチャルイメージの世界ではなく、優れた模写・複製品による圧巻の世界なのであります。

 各地の美術館巡り、予見出来ない巡回美術品公開待ち、そしてアトランダムで非効率的な鑑賞から脱却していく方法として、芸術鑑賞へのメリットは計り知れないものであります。  そして、次は是非原本を、と強い興味と経済的余裕に促された方々は、世界の美術館の原本巡りでご納得・ご満足されるというさらなる楽しみへの道にもつながります。
 次元の異なる音楽の引例ではありますが、バッハ始め大音楽家の交響曲を例にしますと、それらは過去現在も幾多の不特定の交響楽団と指揮者によって演奏され、今後も演奏されてまいりますが、そこでは現存する不特定の指揮者と交響楽団によって再現が続けられ、本物・偽物の概念はなく、本流・亜流の制約もありません。

 バッハ・ベートーベンたちのの名曲が多数の指揮者と交響楽団によって演奏、録音と多岐に商業化されていても、各作曲者は自作の存続を歓迎していることでありましょう。

 美校生が過去の名画を模写・複製して腕を磨くのは有効な勉強方法であります。その延長として著作権をクリアの上で作品に署名と模写・複製を記して公開、販売しても名画の紹介に役立っても不当な損害、迷惑行為になることは考えられません。

 ちなみに ”スペインのブラド美術館所蔵「モナリザ」の最古と言われる模写が修復を終えて一般に公開された。それが、フランスのルーブル美術館にある本元の「モナリザ」以上に色鮮やかと評され、3月末からルーブル美術館でも公開される” という本年2月の報道がありました。
 本元も模写も同じ地球人間の手によってなるものであり”良いものは良い”ということで世に広めたいエピソードであります。

 

 以上のようなコンセプトによる芸術鑑賞の場が生まれれば、芸術の効率的な鑑賞と教育的な鑑賞効果が生まれ”芸術は分からない”から”芸術は楽しい”という変遷が見られると共に、作品の知名度やブランドへの闇雲な傾倒には冷静になり、各人それぞれが無名作家の作品から名画の複製品まで、有名品・無名品であることに惑うことなく、芸術に馴染んだ各人それぞれの趣味思考に基づいて、気に入った手頃の美術品を室内に飾り楽しむにいたる芸術の大衆化をもたらし、無名の芸術家でも食べていける芸術大国のベースもまた形成されると思います。

 

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企業のメセナからさらに芸術運営へ

 科学技術に加えて芸術立国へ始動するためには、芸術産業への企業からの投資、芸術人材の育成、芸術観光市場拡大、芸術創作市場の開発などが欠かせません。

 その一端として望む「アートばんぱくランド」の建設は、日本経財界の資金と経営力、日本学術界の知力と技術力、そして行政の組織力を動員しての対応なくしては成り難いプロジェクトであります。
わが国のトップ企業の要職にある方々は、芸術全般に造詣深く、芸術に関しましてのわが国企業のメセナ活動には歴史があります。

 願わくは、こういうお力を比度の「アートばんぱくランド」ご提唱を機に、今までの援助活動に加えて、直接投資で芸術運営の新分野に展開して関与なされますことを切望するものであります。
そして、わが国の芸術の創作、伝承、教育、鑑賞ソフトまで、財界・学術界・行政の国力を集結して「アートばんぱくランド」の建設を実現し、わが国の芸術鑑賞の新観光として世界に供したいものであります。

 

  国難と言われる未曾有の東日本大震災による永眠者のメモリアルと復興のシンボル、さらにわが国土と世界の平安息災を祈願するに相応しい「アートばんぱくランド」の建設、そして次なる運営もまた国力的なパワーを欠いては困難なプロジェクトでありますが、これをわが国経済界トップ陣による運営力と、優れた学術界からの知力の提供によれば確実無難に成し得るものと頷けるものです。そしてそれはわが国の伝統と進化の素晴らしい芸術文化に新しい1頁を飾るものと心が踊ってまいります。

 また、我が国内の多種多様の企業が、各企業未知の分野の一つのプロジェクトに参画して連合体を形成し、損益関係に始まる幾多の摩擦を大乗的にクリアし進行するとき、世界の産業勢力地図変わりの時代にあって、新プロジェクトの連帯の土台は新プロジェクトの成果を超えて国益的産業戦略の発祥に寄与するものでは、とさえも思えてまいります。

 

 老人の飛躍する願望の予想はさて置きまして、我が国の企業の芸術への高い貢献度を、さらに直接の芸術事業に展開させますことは、社会的存在の高い企業の社会貢献上から、強いては企業目的からも有益で意義深いことは疑義のないところと考えられるところでありまして、芸術を賛美し平和の精神を涵養する事業分野へのご進出を重ねて切望せざるを得ません。

 

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